旧武者小路実篤邸 (7 画像)
武者小路実篤は大正5年暮れから同7年9月までこの地に住み、日向の「新しき村」に出発するまで、我孫子に住む白樺派の志賀直哉、柳宗悦たちと毎日のように舟や徒歩で往来し、家族ぐるみの交流をした。
岸田劉生、有島生馬、犬養健、梅原龍三郎、安倍能成、長與善郎ら錚々たる若手芸術家が訪れ、武者小路は「我孫子コロニー」の推進役ともなった。「白樺美術館」設立を提唱し、日本で初めて「白樺」派の仲間にロダンから贈られた彼の彫刻が我孫子にきた。また、「我孫子刊行会」を創り「我孫子より」など8冊を刊行した。
武者小路がこの地で構想した理想の国造り「新しき村」への送別の会には50人を超す文化人が集まり前途を祝した。武者小路はその時のことを次のように記している。
「ことに夕日が美しかった。夕日が雲に反射して、それが手賀沼を金色に染めた。・・・彼の運命が暗示されてゐるように思へた」。
手賀沼を眼下に見下ろし、晴れた日には遠く富士山を望むこの地は、大正期の人間復活の発信地でもあった。

・千葉県我孫子市船戸2-21-9

・公式ホームページ
・白樺文学館公式ホームページ内での紹介

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